くいしんです。自分はなぜだか就活目前の学生と話すことが多い。また、こんな適当に生きてきたぼくに対しても「好きなことをやってきた人生」と見てくれる方がいて、それについて話すことがある。

よく話に出るのが「大学を出て大きい企業にいくべきか、いきなり自分のやりたいことをやるべきか」ということだ。人生は短い。それをどれだけ強く認識しているかどうかは別として、誰の人生も等しく短いものである。せいぜい長くても100年程度しか生きられない。ぼくらの世代、ぼくらよりもう少しあとの世代は、医療技術の発達でもっと長生きできるようになるかもしれないけど。それでも、ぼくは70年しか生きられないと思っている。あと6年で半分だ。

大きい企業にいくべき

ぼくがここで思うのは「迷いがあるか」否かだ。判断基準はそれしかない。むしろ、そこだけ抑えておけば、好き放題に生きればいいだけの話だ。ここでは対象を「ちゃんとした企業に就職できる大学生」または「いい企業や大きい企業に就職できる学生」として、「やりたいこと」を「すぐにまとまった収入にならないこと」とか「それで食っていける目処がないこと」としよう。

少しでも「迷いがある」なら、できるだけ大きい企業にいくべきだ。なぜなら、そのカードを捨てたあとに、「失敗した」と思って後悔しても、あとから大きい企業にいくことはなかなか難しいからだ。

ぼくは高卒で、高校卒業後は吉本興業のNSC東京という養成所にいった。そもそもここに迷いはない。お笑い芸人になれなくてもお笑い芸人になろうとしてたやつなんだから、おもしろおかしく生きていけなかったらそれはウソになるからだ。幸いぼくは、高卒でその後4年間ほとんど遊んでいたように過ごしたにもかかわらず、出版社で編集をやったり、デザイン会社でWeb制作をしたり、相変わらず好き放題に生きている。今も昔もそこに迷いはない。

やりたいことは、やるべきだ

「迷いがあるならやめろ」ぼくが言いたいのはこれだけだ。そりゃあ、どうしてもやりたいことがあるなら、今すぐにやるべきだ。ただそれには、若いヤツはこういう言い草を好まないかもしれないが、少なくとも現状の社会では「それなりの覚悟」ってやつが必要だ。

大卒でそこそこの企業に就職できるカードを捨てる。それがどんなことなのか、正直ぼくにはよくわからない。ただ、「捨てる」ことについての話が重要なんじゃない。「やる」ことについての話が重要なんだ。わかるのは、「俺はそんなものいらない」と言って生きてきただけだ。

迷いがあるならやめておけ

もう一度言おう。迷いがあるならやめておいたほうがいいということだ。「あとで後悔してもいいから、どうしても今すぐにやりたい」と、せめてこれくらい言えなければ、やるべきじゃない。迷っているならやめろ。大人にこう言われて、やめるようなら、険しい道をいくのは難しい。それでもやるやつだけが、前に進むことができる。そうなる頃には、もう迷いはないはずだ。