タイトルにあるけんすうさんというのは、先日、ナタリーと同じタイミングでKDDIが買収した、nanapiという会社のCEO古川健介さんのことだ。そして、この『スマートサイジング』は、「シンプルな暮らし=世の中の潮流」の最先端をわかりやすく解説してくれている本。

・幸せは 、自分の暮らす町とのつながりや人との深いきずなから生まれる 。
・お金で幸せは買える 。でも本当に大切なのは 、 「何にお金を使うのか 」ということ 。
・モノを買っては捨てるの繰り返しでは 、いつまでたっても幸せにはなれない 。
・足るを知るとは 、幸せを知ること 。つまりゆとりを持ち 、自分のペ ースで生きること 。
・新たな生活を切り拓くために必要なのは 、たゆまぬ努力 、忍耐 、それに 「新しい世界を知りたい 」という強い気持ち 。

これがこの本のコンセプト。「お金で幸せは買える」と言い切っていたので、最後まできちんと読んでみようと思った。以下は、つまりどういうことなのかという、もう少し噛み砕いた説明。

つまりこの本は 、ひと言で言えば自分とお金 、時間 、モノとの関係を見直し 、いったい何が自分を幸せにしてくれるのかを 、もう一度考えてみるための本だ 。お届けしたいのは 、これまでとは違うものの見方 。
新しい見方ができれば 「こんなアイデアはどうだろう ? 」 「こんな選択肢があってもいいんじゃない ? 」というふうに 、常識から離れて物事を考えてみることができるはずだ 。シンプルに暮らすという概念は 、時と場合によってさまざまな呼ばれ方をしている 。たとえば 「シンプルライフ ・ム ーブメント 」 「シンプル主義 」 「ダウンサイジング 」 「ミニマリズム 」 「タイニ ーハウス 」などなど 。このような言葉の背景には 、核として 「自分の選択をもっと意識する 」という考えがある 。たとえば 、 「私もタイニ ーハウスに住みたい 」と思ったとしよう 。でも 、このサイズの家じゃないとダメ 、などということは決まっていない 。タイニ ーハウスに住むという夢が実現していなくても 、そういった人たちの仲間入りをすることは可能なのだ 。シンプルライフとは 、つまりは人生観のこと 。持っているモノの数で決まるわけではないのだ 。

具体的にはアメリカの様々な「普通の夫婦」の暮らしが描かれている。映画で観るようなぶっとんだカップルではなくあくまで「普通の夫婦の普通の暮らし」が、「スマートサイジング」という視点で語られている。アメリカ人にとっても、アメリカンドリームなんて言葉はもう陳腐化してしまったのかもしれない。

もちろん日本でも同じように考えている人が増えているように思う。ぼくもたぶんそうだ。家にあるものはどんどん減っている。増えることはない。

「余計な出費はいらない」と当たり前に考える人が多い。シャンパンを飲んだり、高級外車に乗ったりすることが、最上の幸せとは限らないよねって話だ(それでもシャンパンは美味しい)。

現代社会の人々は「他人からどう見られているか」ということを気にしすぎる傾向にある。家庭、学校、職場で繋がり、家に帰ってもネットやLINEで他人と連絡を取り続ける。それだけ繋がっているんだから、「他人からどう見られているか」を気にするのは当たり前のことかもしれない。そういった流れがあるからこそ、この本のように「そんなのいいから、自分の軸で幸せを判断したいよ」って人が逆に多くなってきているんだろう。

幸せのために物が多い必要はない。物はあくまで、何かをするためのツールで、その「何か」が本当に必要なのかどうかから自分の中でゆっくりと考える必要がある。すべてが上向きだった日本の経済はもう20年以上も前に終わってしまって、みんながこんなことを考えなくてはいけなくなった。それを「面倒だ」と思う人も実はもの凄く多いけど、それって実は、幸せなことなんじゃないかなあって思うし、そういうことがこの本には書いてある。どうも、くいしん(@Quishin)でした。読んでくれた方ありがとうございました。ツイッター(@Quishin)はフォローお気軽に!