日本のみ。マジでヤヴァい曲があまりに多いので、10曲ほど見繕ってみました。どうも、くいしん(@Quishin)です。選出基準は「グッときた」または「感動した」。これ以外に音楽を語る尺度などないのです。「琴線に触れた」とか「心を揺さぶられた」っていうのは、結局これらの言い換えです。みんな難しいことばっかり考えてないで、もっと「グッとくるかどうか」で生きたほうがいいぞ。
01.“もぐらたたきのような人”町あかり
この時点でこのエントリに対して不信感を抱いた人も多いと考えられます。この曲を聴いて、「はあ? ふざけんなよ」と思った方は、05.06.08.09.10.だけを聴いてください。バンドが聴きたい人は05.と08.。ラップを聴きたい人は06.09.10.をどうぞ。
で、町あかりさんは電気グルーヴのライブの前座をやったことで有名になった方です。
聴いていると本当に気が狂う。この一週間で300回は聴いていると思いますが、これを聴きながらプログラミングとか集中する作業してたら危ないと思う。気が狂う。「もぐらたたき♪ もぐらたたき♪ もぐらたたきのような人〜♪」が頭から離れない。こびりつく。とにかく一度聴いて欲しい。ウエストの細さ(太さ?)とか、完璧としか言えない。
02.“バンドマンの女”クリトリック・リス
この二曲で離脱するのだけは勘弁してください。本当にいい曲をこのあとたくさん紹介します。神聖かまってちゃんとかちょっと聴いてたぞ、って人はぜひ聴いてみて欲しいです。「大学を7年かけて卒業したのに働けへん」という歌い出し、おっさんがパンツ一枚で歌ってる、というのを事前情報として得て、それでも聴きたい人だけ聴いてください。ちなみにMVに出てくる女性がタイプなのでこういう人が周りにいたら紹介してください。ダサいジーンズがそれっぽすぎて笑いますが、顔はかわいいです。
03.“あなたに恋をしてみました”chay
フルのMVがない。この曲は本当に凄いです。曲は1960年代ポップス、そこに、あくまで90年代以降のJ-POPマナーに則った歌を乗せて、それでも全盛期の歌謡曲の土臭さみたいなものを失っていない、という、奇跡のようなバランスで成り立った曲。誰がつくってるのかと思ったら多保孝一さん。つまり、Superflyの元メンバーの方です。ブログではその制作について、以下のような詳細を語ってくれています。
今回のレコーディングでは、アナログの雰囲気を出すためSTUDERのテープレコーダーを使用
また、2008年の「愛をこめて花束を」の時に共同で作詞をさせて頂いた、作詞家のいしわたり淳治さんとご縁があって再びご一緒させて頂きました。
古き良き歌謡の時代のサウンドを現代に蘇らせるため、6-4-2-2編成のストリングスと6管編成のブラスセクションという大所帯での録音
とにかく拘りが凄くて、関わっている方々も超豪華です。詳しく知りたい方は以下のブログから。
と、ここまで調べてわかったんですが、chayさんはテラスハウスのまいまいさんなんですね。出てた頃はまったく見てなかったので知らなかったです。
04.“あーりんわっしょい”最終少女ひかさ
この曲の「つーけまつーけまつけまつけーますっ」を聴いた瞬間の衝撃と違和感が今でも拭い去れません。でも何回か聴いていると不愉快さがそのまま爽快感に代わるから不思議です。
こういう音って大抵関西から出てくるんですよね。関西のバンドシーンには「スカム」というのがあって、「汚さ」「不愉快さ」「下品」とかっていうのがひとつのテーマなんですよ。それで、このバンドも毛皮のマリーズとかちょっと影響受けてるのかなとか思いつつ、関西かと思ったら北海道なんですね。
サカナクションやsleepy.abのように洗練された音のバンドを多く輩出した札幌にこういうバンドがいるっていうのは不思議です。一周回ったってことなんですかね。
05.“ふっかつのじゅもん”sumika
いい曲たくさんあるバンドなのですが、この曲は頭ひとつ抜けている印象です。昨今大流行中のいわゆる四つ打ちダンスロックを下敷きにしつつ、そこだけに収まらない楽曲で勝負していて気概を感じます。
24万回再生もされてる。凄いな。。
06.“人間失格”GOMESS
自閉症のラッパー。ぼくが中高生の頃って、ちょうどKICK THE CAN CREWとかケツメイシとかリップスライムとかが出てきた時期だったんですよ。その影響なのかなんなのか、日本語のラップっていつの時代もちょこちょこ聴いてるんですよね。
不可思議/wonderboyほどとは言いませんが、GOMESSの曲も好きで、この曲は精神病棟に入ったときのことなんかをラップしてます。「こんな風に、自分の心にあることをそのままラップにする人もいるんだ」って知らない人も案外多いと思うので、こういう世界に触れたことのない人はぜひ聴いて欲しい。
07.“何度目の青空か?”乃木坂46
これもう半年以上前の曲なんですね。ついさっき聴いたような印象です。基本的にはロックンロールの悪魔に取り憑かれ、「アイドルなんて聴くんじゃねえボケ」と思っている非常に古いタイプの人間なのですが、この曲はいい曲です。ちなみにAKBグループの中で一番好きな曲はAKB48の“恋するフォーチュンクッキー”です。指原さんはバラエティタレントとしても天才だと思ってます。
この曲の何がいいってイントロから歌い出しまで完全にGLAYの“Winter, again”なところですね。たぶん乃木坂46って、AKBよりも「辛辣」「真剣」「ちょっと鬱気味」みたいな色合いの違いがあるんですよね? すみません、この辺まったく知らないで言ってますが、そんな気がしてます。つまり、「暗いところから見える光」的なテーマなのかなあ、と。いや全然聴き込んでないのにこんなこと言ってすみません。
08.“ゴードン”FINLANDS
昔から知っているバンドです。地元は箱根(小田原じゃない)。Twitterのフォロワーさんはぼくが何度もツイートしているのをもしかしたら知ってくれているかもしれません。ヴォーカルがもう完全に天性の才能に恵まれちゃってるタイプです。これを言うと歌い手が怒るかもしれませんが、ざっくり言うと「チャットモンチー好きなヤツはこれ聴いておけ」的な文脈で語られることが多いバンドです。
二人組なんですが、くるりみたいなバンドだと思います。簡単に言うと「音楽的な才能溢れる化け物フロントマンを、ベーシストがマリア様のように広大な心で下支えする」という話で、それをやってるのが、ベースのコシミズカヨさんです。
“東名怪”という曲もいい曲なのでぜひ。個人的には“ナイター”が凄く好きです。この曲で『RO69JACK 13/14』に入賞したみたいです。
YouTube:“東名怪”
YouTube:“ナイター”
ちなみにゲスの極み乙女。の川谷絵音さんもツイートしてました。
FINLANDSというバンドのボーカルの女の子、良い声。https://t.co/YpZpdsW2JD
— enon kawatani(ピコーン!) (@indigolaEnd) 2015, 2月 10
09.“水星”DAOKO
ご存知、tofubeats“水星”のカヴァー。最近J-WAVEでよく流れている(?)から、知っている方も多いかもしれないです。ぼくはもうこの曲の虜で正直この先どんなカヴァーが出てきても感動してしまうと思うんですが、DAOKOカヴァーもとにかく最高です。10代の女の子の、00年代以降特有のデジタルの繋がりから派生する焦燥や感傷、悩みがこんな風に響いてくるのは、もちろん曲が“水星”だからというのもありますが、DAOKOのシンガーとしての才能としかいいようがありません。
発売されたばかりの1stアルバム『DAOKO』の中に入っている“かけてあげる”も名曲です。
YouTube:“かけてあげる”
10.“CITYGIRL”TOKYO HEALTH CLUB
この曲を紹介したいがために書いたエントリです。「tofubeats以来の衝撃」と思っている人も多いとか。
アタシ階段降りるたび外反母趾が痛いの悩み
やくしまるえつことボブマーレー
iPod shuffle繋ぐ夜まで掴んで離さないトゥナイト
窓に映った素顔誉めろ
手頃な大人で良いじゃん
今が最高だって言える過去 等身大
乙女の遊ぶ髪亜麻色自作自演のサプリメント
信じたいのは君じゃない
シリアスだけど盛り上がりたいの
特に最後に引用した一節。これほどまでに00年代以降の、つまり「鬱時代の気分」を一発で表現したリリックが今まであったでしょうか。たぶん、ない。「シリアスだけど盛り上がりたいの」は、たとえば、ハロウィーンの六本木の喧騒、ワールドカップでバカ騒ぎする渋谷の心情を完璧に言い当てているような気がします。
学生運動の最中に、その輪の中に入れず、純文学を読むしかなかった青年がそこにはいるように思います。規模の違いに吐き気がする、という人もいるでしょうけど、それはみんながやってきたことの結果なので。
4月はライブが2本あるようなのですが、一本は中目黒、一本は恵比寿BATICA。しかも2日連続。これ2本ともいくんじゃないかと思っている自分が怖い。
公式サイト:tokyohealthclub.com
いい曲あったでしょうか?
どうも、くいしん(@Quishin)でした。最後まで読んでくれた方ありがとうございました。本当はもうちょっとジャンルをしっかり絞ったほうがいいのはわかってるけど、そんなことよりもこの10曲を吐き出したかった笑。ツイッター(@Quishin)はフォローお気軽に!