ライターが知ってると得する『君の名は。』と序破急(1:2:1)の時代のこと

公開日: : 書く, 映画 ,


先日、新海誠監督の映画『君の名は。』を観てきました。2回目。最新の情報では興行収入が『千と千尋の神隠し』に次ぐ、邦画歴代2位がそこまで迫っているんだとか。

ネタバレがちょっとだけあるので、気にする方は、映画館で観てからまたこのURLを見てね♪ どうも、くいしん(@Quishin)です。

参照:「君の名は。」が最終興収で200億円を超える見通し 邦画歴代2位が射程圏内

序破急の時代

『君の名は。』は、物語が徹底的に序破急の構成で貫かれています。ここで言う序破急は1:2:1という、ハリウッド映画でよく採用されている構成のこと。これって書き物をする上でもすっごく使えるので覚えておくといいですよ、っていうのが今日のお話(あっ、プレゼン資料とかにも同じことが言えるかも)。

『君の名は。』は、ストーリーの展開、情報の提示(または開示)が完全に序破急。めちゃくちゃ綺麗。全体が107分らしいので、具体的な時間配分は以下。

  • 序(26分45秒):「前前前世」が流れ、入れ替わりについての詳細解説があるところまで
  • 破(53分30秒):隕石落ちる直前くらいまで
  • 急(26分45秒):エンディングまで

※いや、映画館で感じたままなのでざっくりです。多少ズレは多少あるでしょう

映画が始まって、「序」は三葉と瀧の置かれた環境、家族構成、友人との関係性といった基礎的な説明。そして、入れ替わりがあって、その詳細な解説。「前前前世」が流れる後半だったっけ?そこくらいまで。

まず序でもめちゃくちゃ情報量多いですよね。2回目みたら、こんなに序盤にいろいろ情報が詰まっていたんだなと驚いた。

で、「破」のブロックで、三葉を探す旅に出て、糸守だとわかって、でもそこには隕石が落ちてて、人がたくさん死んでいて、三葉は死んでて、三葉と瀧の生きる世界の時間がバラバラだったことが明かされる。

で、最後の「急」はみんなを救おうとする話があって、エンディングまでですよね。

観た人は思い返して欲しいのですが、『シン・ゴジラ』も『マッドマックス 怒りのデス・ロード(MADMAX)』も『アナと雪の女王』も、ここ数年で大流行した映画は序破急です。『MADMAX』が一番わかりやすいでしょうか。これはDVDでちゃんと確認しました。この映画の場合、ざっくり言うと、

  • 序:逃げ始め、マックスとフュリオサが邂逅する直前の場面転換まで
  • 破:逃げる
  • 急:戻る

こんな感じ。120分の映画なので、本当にピッタリ30分・60分・30分の構成になっていて、おもしろいなーと思います。

なぜ「起承転結」ではなく「序破急」なのか

序破急はわかったけど、起承転結でもよくない? なんなら起承転結でできてる映画も多いでしょ?という話もありそうですが、今は序破急の時代なんです。

そもそも序破急って、もともとの雅楽もそうだし、音楽や脚本や文章において、起承転結よりテンポがよい、ドライブ感が出る構成なんですね。

起承転結というのは、ある意味、ものによってはだれやすい構成です。ざっくり言えば、現代は情報が多く、その処理速度もめちゃくちゃ速いので、序破急のほうがみんなしっくりくるよねーってことです。

スマホを開いて数秒後に何にでもアクセスできる時代だからこそ、「起承転」のだるさを感じやすいし、序破急が活きてくるのではないかなと思います。

スマホで活字を読む時代にも同じことが言える

たとえば数日前にバズッていたこちらの記事。

最小限の前提説明だけで、「破」に当たる「様々なコスプレをしている人と一緒に写真に写っているところ」があって、サッと締める。これが最近の「バズる記事の美しい型」のひとつ。

コスプレをしている人と一緒に写真に写っているところはいわば「転・転・転・転・転」みたいな状況なのでドライブ感があって、読み物としてみたときにもサクサク読めるし、なんなら読み飛ばして写真を追うだけでもおもしろい。

ここに、途中で展開(承・転)があると、一気にコンテンツが重くなってしまう。シェアする際にその展開に触れなくてはならないから、だるさが生まれるんでしょうね。あと、タイトルで美しくひとことでまとめられない内容になってしまう。

「バズる記事」という視点ではこんな感じですが、僕が主戦場としている長文のインタビュー記事でも同様だと思います。灯台もと暮らしで最初期によく読まれたこの記事も、綺麗に序破急の型になってます。

参照:【徳島県神山町】メディアの神山町が全てじゃない―移住者と地元民の間の私―

なので最近はこんな感じで序破急を意識してインタビュー原稿づくりをがんばってます。

というわけで、このエントリも序破急で書いてみました♪ どうも、くいしん(@Quishin)でした! 最後まで読んでいただいた方、ありがとうございました!


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