任天堂の岩田さんが亡くなったことと死が生を輝かせるという幻想について。

公開日: : 最終更新日:2016/08/28 ライフ


他人の考えをつかまえて「間違っている」と言うのはあまり好きではない。しかし、もしあなたがこのエントリのタイトルを見て「いまさらだな」と思ったのなら、それは間違っている。人の死には、いまさらもクソもないからだ。どうも、くいしん(@Quishin)です。

任天堂の岩田さんが亡くなった。「岩田社長」ではなく「岩田さん」と呼ぶのは、もう完全にほぼ日の影響だ。岩田さんの功績、やってきたことを、「社長」という肩書きだけにおさめてしまうのはあまりにもったいない。と、ほぼ日が言っていた。岩田さんは、任天堂の社長をやってきた人であると同時に、カービィやスマブラをつくった人だ。

あまりに悲しくて、宮本さんやYMOやポール・マッカートニーが亡くなったら自分はどうなっちゃうんだろうかと思った。しかし、ここではその話を深堀りしたいわけじゃない。このことで思ったのは、「長生きしなくちゃ」ということだ。「そんなのあたり前じゃん、なんなの、バカなの?」という声が聞こえそうだけど、ぼくは当たり前のように「死が早ければ早いほど、生は輝く」と思っていた。少なくとも、去年の秋頃までは本気でそうだった。

それはもちろん、たとえばジョン・レノンが40歳で射殺されたことや、ジャニスやジミヘンやエイミーやカート・コバーンやロバート・ジョンソンが27歳で死んだこと、はたまた志村正彦が29歳で死んでしまった悲しみを埋めるための言い訳でもある。

「長生きして、若者をイジめて、老害として生きることの何が楽しい?」そんな風に思っていた。両親より先に死んだらいけないと、人並みの常識は持ちあわせていたものの、「長生きしたい」と、願ったことはなかった。パンッと花火のように打ち上がってすぐに消える命こそが美しくて、自分もそんな感じであればそれにこしたことはないと思っていた。

昨年の12月、祖母が亡くなった。そのあと、数ヶ月の間に、近しい人が何人も死んだ。その中には同級生もいた。若くして亡くなる命を前にして「死が生を輝かせる」なんてことは、少しも思えなくなってしまった。

岩田さんには「もっと生きて欲しかった」と思った。生きてこそ、岩田さんがつくったものがこの世に生まれる。ただのワガママである。しかし、せっかく生きているのなら、ワガママくらい好き放題に言えばいいんじゃないだろうか。

生きてこそ、だ。


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